自分の人生の「起」
ふと疑問に思う。
死ぬ時、自伝を書くなら、今日までをどのように書くだろう。
私の人生は、優秀そのものだった。
田舎の一般的な家庭に生まれた私は、あらゆる能力が高かった。
小学生ではサッカーの県大会の決勝に行き、勉強をしなくてもテストは満点。
中学では体育祭の団長や生徒会長を務め、試験は常に上位。
高校では自作の映像作品が全国でメダルを獲り、現役で東大に合格した。
大学ではサークルの代表を務め、就活は苦労することなく大手企業に就職した。
終わり。これだけ。1ページもない。
実に面白くない。
絵に描いたような「優等生」。社会のレールを綺麗に走る見事な列車。
わざわざ書く必要のない、どこかにいそうな優秀。友人B。
ここまで書いて、僕は「怖い」と思った。
まあまあ頑張って生きてきた25年間は、伝記にするなら1ページ。
起承転結で言えば【起】。
ここから本格的に物語が進む【承】が始まり、
面白さの根幹となる一大事【転】が起きる。
見事にそれを乗り越え、僕は人生を見事に締めくくる【結】を迎える。
そんなことを思いつつ、あることに気づく。
僕の人生の【承】はいつ始まるのだろう。
もしかすると、このまま僕の人生は【起】だけで終わってしまうんではないだろうか。
いや、もはや伝記にするまでもないのではないか。
【承】を始めよう
ここで僕はようやく気づく。
一般的に見れば順調な人生にも関わらず、満たされないこの感じ。
物語が始まっていない。
【承】すら起きていない。
そんな人生を生きたいと思うだろうか。
何を目的に生きるべきなのだろうか。
いや、目的は自分で作り出さなければいけない。
自分の人生の【承】を、自分で始めなければいけない。
そう思って、僕はこのブログを始めた。
僕が満たされるのは、このブログという自伝が埋まっていく様子。
このブログは、収益とかたくさんの人に見られることを想定していない。
だけど誰かに見られる場所、忘れない場所に置いておくことが必要だ。
自分の生き方。人生。自伝。そんなこの場所を【承】【転】【結】で埋めていく。
もしかしたら、そんなこと言っておきながら何も書かないかもしれない。
すぐにネットの渦に0と1の塊として消えてしまうかもしれない。
だけどそれでいい。何も書くことがないそんな伝記なら、いっそ捨ててしまったほうがいい。
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