起①〜自伝を書くなら

自分の人生の「起」

ふと疑問に思う。
死ぬ時、自伝を書くなら、今日までをどのように書くだろう。

私の人生は、優秀そのものだった。

田舎の一般的な家庭に生まれた私は、あらゆる能力が高かった。
小学生ではサッカーの県大会の決勝に行き、勉強をしなくてもテストは満点。
中学では体育祭の団長や生徒会長を務め、試験は常に上位。
高校では自作の映像作品が全国でメダルを獲り、現役で東大に合格した。
大学ではサークルの代表を務め、就活は苦労することなく大手企業に就職した。

終わり。これだけ。1ページもない。

実に面白くない。

絵に描いたような「優等生」。社会のレールを綺麗に走る見事な列車。
わざわざ書く必要のない、どこかにいそうな優秀。友人B。

ここまで書いて、僕は「怖い」と思った。

まあまあ頑張って生きてきた25年間は、伝記にするなら1ページ。
起承転結で言えば【起】。

ここから本格的に物語が進む【承】が始まり、
面白さの根幹となる一大事【転】が起きる。
見事にそれを乗り越え、僕は人生を見事に締めくくる【結】を迎える。

そんなことを思いつつ、あることに気づく。

僕の人生の【承】はいつ始まるのだろう。

もしかすると、このまま僕の人生は【起】だけで終わってしまうんではないだろうか。

いや、もはや伝記にするまでもないのではないか。

【承】を始めよう

ここで僕はようやく気づく。
一般的に見れば順調な人生にも関わらず、満たされないこの感じ。

物語が始まっていない。
【承】すら起きていない。

そんな人生を生きたいと思うだろうか。
何を目的に生きるべきなのだろうか。
いや、目的は自分で作り出さなければいけない。
自分の人生の【承】を、自分で始めなければいけない。

そう思って、僕はこのブログを始めた。
僕が満たされるのは、このブログという自伝が埋まっていく様子。

このブログは、収益とかたくさんの人に見られることを想定していない。
だけど誰かに見られる場所、忘れない場所に置いておくことが必要だ。
自分の生き方。人生。自伝。そんなこの場所を【承】【転】【結】で埋めていく。

もしかしたら、そんなこと言っておきながら何も書かないかもしれない。
すぐにネットの渦に0と1の塊として消えてしまうかもしれない。
だけどそれでいい。何も書くことがないそんな伝記なら、いっそ捨ててしまったほうがいい。

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